スマトラ島沖の歴史気的な大地震により、Tsunamiという単語をよく耳にする最近ですが、Tsunamiが英語圏でも使われるようになった由来が書かれています。
一般に英語で使われているだけでなく、学術英語でもあり、ロシア語やスペイン語などを含めて世界的に通用することにも驚いた。
津波の比較史料学
英語圏では、津波は伝統的にはtidal wave と呼ばれている。しかしtidal waveとは太陽と月によって引き起こされる天文潮汐(汐の干満)のことであって、地震によって引き起こされる津波とは異なるため合理的な呼び方ではない。このことは、英語圏の科学者も気づいていた。それで、科学用語としてはseismic sea waveが使われていた。
ところが1946年4月1日の朝、アリューシャン列島で起きた巨大地震による大津波がハワイ列島を襲った。このときの津波でハワイ諸島全体で173人の死者を出した。ハワイ島のヒロ市は日系人の多く住む町であるが、この町の「Suisan(すいさん)」と呼ばれる魚市場地区や、「Shinmachi(新町)」などの地区も津波で壊滅した。このときからそれまで日系人だけが使っていたtsunamiという言葉が、ハワイの地方紙に用いられ、それ以後英語としての市民権を持ち始めた。1968年に米国の海洋学者Van Dornがtsunamiを正式な学術英語とすることを提案し、それ以後英語圏にtsunamiの語が急速に定着した。現在では、ロシア語・スペイン語等も含め汎世界的に通用する語となっている。
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